アパレルに向いてないと感じているなら、まず「向いてるかどうか」よりも「自分が何をしたいか」を考えてみてほしいです。
正直に言うと、私は15年間アパレルで働いて、楽しいと思ったことは一度もありませんでした。
それでも続けられたのは、自分で店舗をマネジメントをしたいという目標があったからです。
向いてる・向いてないは、働く上での一つの目安にすぎません。
自分が何を目指しているかが明確であれば、向いてないと感じる部分があっても続けることはできます。
一方でに目指すものが何もないなら、それは辞めるタイミングのサインかもしれません。
この記事では、アパレルに向いてないと感じる理由や特徴を整理しながら、次の一歩をどう考えるかを私の体験をもとに書いています。
アパレルに向いてないと感じるのはどんなとき
アパレルに向いていないのかも…と感じる瞬間は、人によってさまざまです。
ここでは、アパレル販売員が「自分は向いていないかもしれない」と悩みやすい代表的な場面を解説します。
声かけの第一声がなかなか出ないとき
アパレルで働いていると、声かけの第一声がなかなか出ない場面は少なくありません。
声かけに苦手意識を持ちやすい理由は主に3つあります。
- 自分が声をかけられるのが苦手で、「相手もされたくないだろう」と感じてしまう
- SNSやメディアでもお客様側の「声かけが苦手」という声が多い
- 反応が悪いと、次の声かけがさらに出にくくなる
私自身もそうでしたし、店長になってからも同じように悩んでいるスタッフを何人も見てきました。
声をかけるタイミングがなかなか掴めず、商品説明から入ることも躊躇してしまいます。
反応が悪かったときのことを考えると、次の声かけがさらに出にくくなるのです。
声かけへの苦手意識を払拭できないと、アパレルを楽しいと思うのは難しいかもしれません。
接客中に会話が続かず気まずくなるとき
声かけができても、そこから会話が続かずに気まずい沈黙になってしまう場面も、アパレルの接客ではよくあります。
特に困りやすいのは以下のようなケースです。
- 質問しても一言で返されて、次の言葉が出てこない
- コーディネートを提案しても反応がなく、どう続けていいか分からない
- 会話をつなごうとするほど、かえって気まずさが増していく
私自身、会話をつなごうとすればするほど空回りしてしまい、お客様との間に気まずい空気が流れることが何度もありました。
接客が苦手な人が克服しにくいのは、成功体験を積む前に挫折してしまうことが多いからです。
うまくいかない経験が重なるほど、次の接客がさらに怖くなっていくのです。
会話が続かないのはスタッフのせいでもお客様のせいでもなく、アパレルの接客ならではの難しさといえます。
売れない日が続いて自分を責めてしまうとき
売れない日が続くと、どうしても自分のせいだと感じてしまいます。
販売員として働いていると、売れない日には様々なプレッシャーがかかってくるためです。
具体的には、以下が挙げられます。
- 自分の接客が悪かったのではと振り返ってしまう
- 店長に何か言われるのではという不安が頭をよぎる
- 売れない理由を探しても、どれも言い訳にしか聞こえなくなってくる
私自身、社員時代に「売れないのが客数が少なかったは理由にならない」と言われたことがあります。
売れない日は何をすべきか模索しすぎて、空回りした日もありました。
売れない日に自分を責めてしまうのは、それだけ真剣に仕事と向き合っている証拠です。
ただそのプレッシャーが毎日続くようであれば、じわじわと消耗していきます。
アパレルに向いていない人の特徴
アパレルに向いていないかもしれないと感じる人には、接客や売上に対して共通した悩みが見られます。
ここでは、アパレルに向いていないと感じやすい人の特徴を体験談を交えながら解説します。
初対面の人との会話が苦手
アパレルに向いていない人の特徴として、初対面の人との会話が苦手というケースは少なくありません。
接客業であるアパレルでは、毎日初対面のお客様と会話することが求められます。
初対面の人との会話が苦手な人にとって、負担になりやすい場面は以下のとおりです。
- 初めて会うお客様に自分から話しかけなければならない
- 大勢のお客様が来店するタイミングで、誰にどう声をかければいいか分からなくなる
- お客様との距離感が掴めず、どこまで踏み込んでいいか迷ってしまう
私は、日常生活でも初対面の人が苦手でした。
さらに自分とお客様との会話を周りのスタッフに聞かれるのも苦手で、売り場にいるだけで緊張することもありました。
そもそも人が得意ではないのに、なぜ接客業を選んだのかと今でも思うことがあります。
高校生の頃から古着が好きで、その気持ちだけでアパレルの世界に飛び込みました。
アパレルは服が好きな人が集まる業界ですが、接客が得意かどうかはまた別の話です。
他人のファッションやコーディネートに興味が持てない
アパレルの接客で意外と気づきにくいのが、他人のファッションやコーディネートへの興味の薄さです。
服が好きでアパレルに入った人でも、以下のような場面で壁にぶつかることがあります。
- お客様のニーズを聞いても、似合うコーディネートが浮かんでこない
- 論理的な提案はできても、お客様の気持ちに寄り添った提案になりにくい
- 経験を積んでも、お客様を見た瞬間にコーディネートが浮かぶ感覚が身につかない
私は、店長になって接客が得意なスタッフを見たときに気づきました。
そのスタッフは、お客様を見た瞬間に「この人にはこういうものが似合いそう」という想像が自然にできていました。
私は感覚より論理で考えるタイプだったので、お客様の気持ちに寄り添う接客が苦手だったのだと思います。
他人のファッションへの興味が薄いと、どれだけ経験を積んでも埋めにくい部分があるのです。
アパレルの接客は、服が好きなだけでなく、他人に似合うものを想像できる力が必要です。
シフト制の働き方が合わない
アパレルで働くうえで避けられないのがシフト制の働き方です。
土日勤務は入社前から分かっていることですが、実際に働いてみると想定外の負担が重なっていきます。
シフト制で特に負担になりやすい場面は以下のとおりです。
- 遅番・早番が交互に続き、生活リズムが整わない
- スタッフが急に休むと、通しになることがある
- 土日は人員が少ない中で現場を回さなければならない
20代のうちは体力でカバーできていました。
30代に入ってから、遅番明けの疲労が翌日に残るようになり、急な通しの日は帰宅後に何もできない状態になることも増えました。
シフト制は年齢とともに体への負担が大きくなっていきます。
長く続けることを考えるなら、自分の体力と働き方が合っているかどうかを早めに見直すことが大切です。
【体験談】アパレルに向いてないと感じても続けられた理由
私自身、アパレルの仕事をしている中で「自分は接客に向いていないかもしれない」と何度も感じてきました。
ここでは、そんな私がアパレルを続けられた理由を、実際の経験をもとにお話しします。
接客以外にやりたいことがあったから続けられた
接客が苦手でも、アパレルを続けられた理由が別にあるなら、それが原動力になります。
私の場合、接客自体にやりがいを感じていたわけではありませんでした。
それでも続けられたのは、早く店長になりたかったからです。
サブという立場は、店長の指示に従わなければならない場面が多く、賛同できないことがあってもそのまま従うしかありませんでした。
そのストレスが積み重なるほど、自分が店長になって自分のやり方で店舗を動かしたいという気持ちが強くなっていきました。
向いてないと感じながらも続けられたのは、根性ではなく、明確な目標があったからです。
接客が苦手でも、その先に目指すものがあれば続けられます。
苦手な接客の中でも自分の得意を見つけてカバーできた
接客が苦手でも、自分なりの得意な部分を見つけることで補うことはできます。
私が意識していたのは、お客様をよく観察して、求めていることを察することでした。
例えば以下のような場面です。
- じっくり見ているけど声をかけられたくなさそうなお客様にはサイズだけ出す
- 試着を迷っていそうなお客様には、さりげなく試着室に案内する
- 自分が着用しているものに興味を持ってくれたお客様との会話を接客のきっかけにする
- 接客がうまくいったパターンを蓄積して使う
お客様の反応は、本当にさまざまです。
接客されたくない人もいれば、話しかけられて心を開く人もいます。
そのすべてに同じ接客スタイルで対応しようとすること自体、無理があります。
接客が苦手でも、自分なりの得意なスタイルを育てていくことが大切です。
そのためにはまず小さな成功体験を積み重ねることが、一番の近道になります。
アパレルが向いてないと感じたら、まずやること
アパレルに向いていないかもしれないと感じたときは、すぐに辞めると決める前に、一度立ち止まって整理することが大切です。
ここでは、気持ちを落ち着けながら自分に合う働き方を見つけるために、まず取り組みたいことを解説します。
続ける理由と目指すものを一度書き出してみる
向いてないと感じながらも続けられる人には、共通して明確な目標があります。
逆に目標が見えなくなったとき、人は一番消耗します。
続けるかどうか迷ったときにまずやってほしいのが、続ける理由と目指すものを紙に書き出すことです。
頭の中で考えるだけでは堂々巡りになりやすく、書き出すことで自分の気持ちが整理されやすくなります。
- 今の職場で達成したいことは何か
- 今の仕事を続けることで得られるものは何か
- 辞めたいという気持ちの裏に、まだ諦めていないものはあるか
私自身、追い詰められるくらい辛い時期もありました。
それでも続けられたのは、店長になって自分のやり方で証明したいという目標が明確だったからです。
目標があれば、辛い状況も通過点として捉えられます。
続ける理由が見つからないなら、それは辞めるタイミングのサインかもしれません。
書き出してみて初めて、自分の気持ちに気づくこともあります。
辞めることを考えているなら、こちらも合わせて読んでみてください。
アパレルの業務の中で好きなことを整理してみる
アパレルの仕事は接客だけではありません。
向いてないと感じたときこそ、自分が好きな業務を整理してみてください。
アパレルには接客以外にも様々な業務があります。
- ストックや在庫整理など、バックヤードでの作業
- 売り場のレイアウトやディスプレイの管理
- マニュアル作成や計画立案などのデスクワーク
- 数値管理や売上分析
私自身、接客は苦手でしたが、ストックの整理や在庫管理、計画を立てることは好きでした。
パソコン作業やマニュアル作成も得意で、そういった業務に集中できる時間は苦痛ではありませんでした。
接客以外の業務が好きなら、店長やバックオフィス職を目指すという選択肢もあります。
好きな業務が見つかれば、向いてないと感じながらも続ける理由になることがあります。
アパレルが向いてないと感じたら、まずは自分を深掘りしてみよう
アパレルを向いてないと感じながらも続けてきた15年間で気づいたのは、答えは自分の中にあるということです。
接客が苦手でも好きな業務があった、目指すものがあったから続けられた。そういった気づきは、日々の仕事の中で少しずつ見えてくるものです。
向いてないという感覚を持ったこの機会に、ぜひ自分を深掘りしてみてください。
続ける理由でも、好きな業務でも、何か一つ見つかれば次の選択肢が見えてきます。


