アパレルで売れない原因を元店長が考えてみた|15年間の現場で見えてきたこと

アパレルの仕事
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アパレルで売れない原因は、接客スキルの問題だけではありません。

15年間アパレルで働いてきて、販売員としても店長としても感じるのは、売れない本当の原因は「自分のスタイルが確立できていないこと」です。

この記事では、現場と店長目線の両方から見えてきた売れない原因と、自分のできることから始めるための工夫についてお話しします。

同じ悩みを持つ販売員に、少しでも参考になれば嬉しいです。

アパレルで売れない3つの原因

アパレルで売れないときは、センスや性格の問題ではなく、接客の考え方や視点に原因があることが少なくありません。

ここでは、アパレルで売れない人がつまずきやすい3つの原因を解説します。

スキル不足より「自分のスタイルがない」ことが問題

売れない原因はスキル不足だと思われがちですが、本当の問題は「自分のスタイルがない」ことだと私は考えています。

接客の型をそのまま全員に当てはめても、全員にハマるわけがありません

現に私自身、声をかけられるのが嫌なタイプです。同じように感じているお客様は必ずいます。

自分のスタイルがない状態とは、以下のような状態です。

  • 得意な会話のパターンが分からないまま働いている
  • 得意なコーディネートのジャンルを把握できていない
  • ロング接客が向いているのか、回転重視が向いているのか考えたことがない

スキルを磨く前に、まず自分がどんな接客が得意なのかを把握することが大切です。

嫌々やる接客は成功体験につながらない

嫌々やる接客では成功体験は積めません。

自分に合わないやり方を無理して続けても、手応えが生まれないからです。

売れているスタッフの真似をしても、性格が違えば同じようにはできません。

私が無理を感じていた場面は、以下が挙げられます。

  • 自分から積極的に会話を広げようとしても、どこか空回りしている感覚がある
  • 明るく振る舞おうとしても、接客されたくないお客様の気持ちが分かるから踏み込めない
  • 自分じゃない誰かを演じようとするほど、接客が嫌いになっていく

私自身、「女優になれ」という指導をされたことがあります。

しかし、嫌々やっている接客では手応えが生まれず、成功体験も積めません。

自分に合わないやり方を続けるほど、売れない原因が分からないまま消耗していくだけです。

お客様の何を観察すべきかがわかっていない

「お客様をよく観察しなさい」とよく言われます。

でも、何を観察すればいいか分からないまま、なんとなく眺めているだけになっていませんか。

観察するポイントが分からない状態は、こんな場面で起きています。

  • お客様の動きは見ているけど、そこから次のアクションにつながらない
  • どこを見れば「このお客様は買いたいのか迷っているのか」が分からない
  • なんとなく全体を眺めているだけで終わってしまう

これが「売れない」につながる原因の一つといえます。

アパレルで売れない人が無意識にやってしまうこと

アパレルで売れない人は、頑張っているつもりでも、無意識のうちに自分を苦しくする行動を続けていることがあります。

ここでは、売れない状態から抜け出しにくくなる人がやりがちなことを解説します。

苦手な声かけを克服しようとして消耗する

売れない販売員がやりがちなことの一つが、苦手な声かけを克服しようと無理し続けることです。

苦手なことを克服しようとする姿勢は悪くありません。

しかし、無理して続けるうちに以下のような状態になっていきます。

  • 声をかけるたびにお客様に無視されたり冷たくされて自信を失っていく
  • うまく声がかけられなかった日は引きずってしまう
  • 声かけが怖くなってお店に立つこと自体が苦痛になっていく

この状態になるのは、声かけを断られることを「自分自身が否定された」と感じてしまうからだと思っています。

本来、声かけへの反応はお客様の気分や状況によるものです。

しかし苦手意識があると、断られるたびに自己否定のループに入ってしまいます。

克服しようとするほど消耗していくのは、そのためです。

成功体験が積めないまま嫌になっていく

苦手な声かけを無理して続けても、成功体験が積めなければ仕事は楽しくなりません。

売れない日が続くと、以下のような気持ちになっていきます。

  • 頑張っているのに結果が出ないから、何をしても意味がないと感じてしまう
  • 「自分はアパレルに向いていないんじゃないか」と思い始める
  • 他のスタッフは接客しているのに、自分だけ店頭に立っているだけになっていく
  • 真面目なタイプほど「申し訳ない」という罪悪感が積み重なっていく

成功体験がないまま続けるほど、仕事へのモチベーションは下がっていきます。

売れないことへの焦りと罪悪感が重なって、アパレルの仕事自体が嫌になっていくのは自然な流れです。

アパレルで売れるために私がやっていた工夫

アパレルで売れるようになるためには、無理に苦手を克服しようとするのではなく、自分に合ったやり方で少しずつ経験を積むことが大切です。

ここでは、接客が苦手な人でも実践しやすい工夫を具体的に解説します。

声かけが苦手ならフィッティングの接客から始める

声かけが苦手なら、まずフィッティングの接客から始めることをおすすめします。

声かけは相手の状態が読めない中で飛び込む必要がありますが、フィッティングの接客はお客様がすでに「気になっている」というサインを出した後だからです。

フィッティングの接客が始めやすい理由は、以下のとおりです。

  • 試着室への案内という流れが決まっているので動きやすい
  • お客様から「試着したい」というサインが出てから動けるので声かけのハードルが低い
  • お客様がすでに商品に興味を持っている状態なので会話しやすい
  • 試着中のサポートという自然な流れで会話が生まれやすい

同じ声かけでもハードルが全然違います。

声かけが苦手なうちは、お客様がサインを出してから動ける場面を意識して増やしていくことが大切です。

接客の流れが決まっているシューズから始めるのもあり

シューズの接客は、服と比べて接客の流れが決まっているので始めやすいです。

服はコーディネートや好みの話になりやすく、会話の広げ方が難しい場面がある一方で、シューズはサイズ感が主な接点なので、自然な流れで接客に入れます。

シューズの接客が始めやすい理由は以下の通りです。

  • サイズを聞いてバックヤードに取りに行く流れが決まっている
  • 試し履きのサポートという自然な流れで接客できる
  • お客様が商品を手に取った時点でサイズを聞けるので声かけのハードルが低い

また、自分で実際に履いて履き心地を試しておくのもおすすめです。

「この靴は幅が広めです」「つま先に余裕があります」などの一言が、自然な会話のきっかけになります。

一声かけてその反応を見ることで、その人への接客が見えてくる

声をかけるタイミングと、かけた後の反応を観察することが接客のきっかけになります。

なんとなく眺めているだけでは見えてこないものが、一声かけることで見えてくるからです。

声をかけるタイミングの目安は以下です。

  • タグを確認しているとき
  • 同じ商品を2回以上手に取ったとき
  • 商品をじっくり見ているとき

一声かけたら、その反応を観察します。

  • 返事の仕方・表情
  • 目線や体の向き

その反応によって次の動きを変えていきましょう。

  • 返事が短くそっけなかったら距離を置いて様子を見る
  • 表情が柔らかくなったら会話を続ける
  • 目線が商品に戻ったら少し待ってからもう一声かける

一声かけることは押し売りではありません。お客様を知るためのきっかけです。

店長になって気づいた、売れるスタッフの育て方

店長として現場を見るようになってから、売れるスタッフが育つかどうかは「個人のセンス」ではなく、指導の仕方に大きく左右されると感じました。

ここでは、実際の経験をもとに、売れるスタッフが育ちやすい指導の考え方を解説します。

全員に同じ接客を求める指導が売れない原因を作っている

全員に同じ接客を求める指導が、売れないスタッフを生み出していると私は考えています。

マニュアル通りで売れる人は基本的にいません。

教える側は自分のやり方か、マニュアル通りで教えてしまいがちですが、それはあくまで教える側のスタイルです。

全員に当てはまるわけではありません。

実際に店長として見ていて感じたのは、以下のとおりです。

  • 型通りの接客をさせても売れないスタッフが出てくる
  • 得意なことが違うスタッフに同じ接客をさせても成果が出ない
  • 指導通りにやっているのに売れなくて自信を失っていくスタッフがいる

全員に同じやり方を押し付けるほど、スタッフは消耗していきます。

苦手な接客を強制しても売れるスタッフは育たない

苦手な接客を強制しても、売れるスタッフは育ちません。

苦手なことを強制しても成功体験が積めず、自分のスタイルが育たないからです。

成功体験が積めないまま続けるほど、消耗して辞めていきます。

私が店長として実際に見ていた場面は、以下が挙げられます。

  • 指導通りにやっているのに売れなくて自信を失っていくスタッフがいる
  • 苦手な接客を無理して続けて、仕事自体が嫌になっていくスタッフがいる
  • 頑張っているのに結果が出ないまま辞めていくスタッフがいる

だからこそ私が店長として意識していたのは、まずスタッフのポテンシャルを見ることです。

お客様への自然な反応や立ち振る舞いを見て、その子に合ったアプローチを一緒に探していきました。

接客が苦手な子にはまず服を着てみることから始めてもらうと、商品の良さが自然に言葉になります。

スタイルは教えるものではなく、スタッフの中から引き出すものと考えると、売れるスタッフが育ちます。

一人ひとりの得意を育てることが店全体の売上につながる

全員が同じ接客をするより、それぞれの強みを活かした方が店全体のパフォーマンスが上がります。

私が店長として意識していたのは、いわば「アベンジャーズを作る」ようなイメージです。

スタッフそれぞれの得意を見極めて、その強みを伸ばしていきます。

  • 会話が得意で場を盛り上げるのが上手いスタッフ
  • ロング接客でお客様にじっくり寄り添えるスタッフ
  • 商品知識が豊富で頼りにされるスタッフ
  • フィッティングルームをテンポよく回せるスタッフ
  • コーデ提案でお客様の背中を押せるスタッフ
  • 存在自体がお客様に憧れられるスタッフ

全員が同じである必要はありません。

私自身は売り場作成が得意だったので、接客はスタッフに任せることが多かったです。

店長だからといって全部できる必要もないと思っています。

それぞれが自分の得意で貢献できる店が、結果的に売上につながっていきます。

売れなくて悩んでいるなら、自分のスタイルを少しずつ育てていけばいい

アパレルで売れない原因は、接客スキルの問題だけではありません。

自分のスタイルがないまま苦手なことを強制しても、成功体験は積めません。

大切なのは、自分のできることから始めることです。

声かけが苦手ならフィッティングの接客から、商品知識がなければまず試着して商品を覚えることから始めればいい。

小さな成功体験が積み重なることで、自分のスタイルは少しずつ育っていきます。

売れなくて悩んでいるなら、自分を責めなくていいです。まず自分にできることを一つ見つけることから始めてみてください。

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